第80回研究会<2018/4/20>
片岡 樹氏
山茶が動かす民族間関係史
第80回「東南アジアの社会と文化研究会」を下記の通り開催します。
オープンな研究会ですので、ぜひお気軽にご参集ください。
事前登録等の手続きは必要ありません。
また、研究会後には懇親会を予定しております。
2018年4月20日(金)16:00~18:00(15:30開場)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
総合研究2号館4階 会議室(AA447)
会場についてはこちらもご参照ください。
http://www.asafas.kyoto-u.ac.jp/about/access
片岡 樹 氏 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
山茶が動かす民族間関係史
東南アジア大陸部の山地では、21世紀に入り空前の山茶ブームが発生している。これは主に中国のバイヤーが普?茶の原料として東南アジアの野生茶に注目し、高値での買いつけを始めたことに由来している。もちろん山茶の繁茂する森は近年初めて発見されたものではない。現在みるような山茶の森は、森と人々との長期間の関わりという前史を経て、ようやく出現してきたものである。モン・クメール系先住山地民による後発酵茶生産、チベット・ビルマ語系山地民による自家消費用釜炒り緑茶の生産、中国系移民による茶葉の買いつけなどが、山地に移民の波を呼び込み、地域の人口構成を変化させてきた。
本報告では、山茶をキーワードに地域社会の変遷を見ることで、現在の山茶ブームの背景には諸民族のダイナミックな移住史が折り畳まれていることを示したい。