第48回 <2010/10/23>
木場紗綾氏(日本財団APIフェロー)
「マニラ・バンコクの都市貧困層の政治行動:「利用されることからの自由」という決定要因に注目して」
岡本正明氏(京都大学東南アジア研究所)
「民主化後インドネシアにおける安定化のポリティクス」
「東南アジアの社会と文化」研究会を以下のとおり開催します。今年度は、東南アジア学会関西地区月例会と共同で開催します。オープンな研究会ですので、自由にご参加ください。
2010年10月23日(土)13:30~17:30
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
総合研究2号館(旧・工学部 4号館)4階 会議室(AA447)
木場紗綾氏 (日本財団APIフェロー)
「マニラ・バンコクの都市貧困層の政治行動:「利用されることからの自由」という決定要因に注目して」
岡本正明氏 (京都大学東南アジア研究所)
「民主化後インドネシアにおける安定化のポリティクス」
多民族国家インドネシアで民主化が始まってから12年が経った。アチェやパプアで独立運動が盛り上がり、各地で宗教紛争やエスニック紛争が吹き荒れていた97年から2000年代前半と比べると、現在のインドネシアの政治は非常に安定している。今では、世界で第3の人口を誇る民主主義国家とされ、フリーダム・ハウスが東南アジアで唯一、自由な国家であると評価するほどになっている。32年間続いたスハルト権威主義体制が崩壊したときには、「第2のユーゴスラビア化」、「破綻国家化」といった言葉が飛び交ったことを思えば、きわめて大きな変化である。そして、現在のインドネシアにおける重要な政治課題は、民主主義のさらなる実質化、そのための汚職撲滅ということになっている。
それではなぜ、そもそもインドネシアは予想以上に政治的安定を実現することに成功したのであろうか。奇妙なことに、既存の膨大な研究は、インドネシアにおける民主化の定着は所与として、そのパラドックスを分析したり、選挙政治の分析をしたりする傾向が強く、この問いは忘れ去られてしまっている。しかし、インドネシア政治を理解する上では、この問いは決定的に重要である。そこで、本発表では、とりわけ地方レベルに焦点を当てて、分割・均衡の政治という点から安定化のポリティクスを説明していきたい。
東南アジアの社会と文化研究会 世話人代表・研究会事務局(2010年度)
杉島敬志 takasugi(at)asafas.kyoto-u.ac.jp
東南アジア学会関西地区例会 世話人・連絡先
片岡 樹 kataoka[at]asafas.kyoto-u.ac.jp
蓮田隆志 hsd[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
速水洋子 yhayami[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
渡辺一生 isseiw[at]cseas.kyoto-u.ac.jp
備考・事前の参加予約は必要ありません。