第45回 <2010/01/15>
森田良成氏(大阪大学大学院人間科学研究科)
合理性と非合理性: 西ティモールの廃品回収人による抗議の出来事をめぐって
「東南アジアの社会と文化」研究会を以下のとおり開催します。オープンな研究会ですので、自由にご参加ください。なお今回は東南アジア学会関西地区例会との共催になります。
2010年1月15日(金)16:00〜18:00 (15:30 開場)
京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科
総合研究2号館(旧工学部4号館) 4階会議室(AA447)
森田良成氏(大阪大学大学院人間科学研究科)
東インドネシア、西ティモールの丘陵地帯の農村は、その「貧困」「低開発」の問題を様々な形でさかんに指摘されている。そうした地域の1つから、村人たちが州都クパンに出稼ぎに出て、廃品回収労働に従事している。彼ら廃品回収人、アナ・ボトルは、町で集めた廃品をボスに売ることでお金を稼ぎ、村に持ち帰る。村での生活は、彼らの労働によって、より規模の大きい匿名的な政治経済システムにたしかに接続されている。
あるときアナ・ボトルたちは、彼らの1人に対するボスの仕打ちをめぐり、抗議の行動に打って出た。彼らの抗議は、その過程で矛先を次々に変えながら、やがて収まっていった。本報告では、この出来事を追いながら、ある行動についての合理性と非合理性の解釈を対称的なものとして論じていく。アナ・ボトルたちの出稼ぎ生活の一場面を手がかりとして、自分たちが決めたわけではない政治的・経済的な仕組みのなかにあって、そこに完全に絡め取られない生活というものがどのような形で可能であるのか、それをどのように議論できるのかを考察していきたい。
[研究会世話人/事務局]
杉島敬志 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
林行夫 (京都大学地域研究統合情報センター)
速水洋子 (京都大学東南アジア研究所)
伊藤正子 (京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
お問い合わせ先
kataoka@asafas.kyoto-u.ac.jp
片岡樹(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科)
備考
・事前の参加予約は必要ありません。
・当日は、資料代として 200円をいただきます。