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第40回研究会
吉本康子 「異端から正統へ: ベトナム中南部におけるチャム・バニの宗教実践と解釈についての考察」

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供物を載せた膳で埋め尽くされている「ムキ(=モスク)の家」(ターン・ムキ)の中庭。 ベトナム中部南端にあるチャム・バニの村では、金曜礼拝の日になると各世帯の女性たちが「アロワッ(アラー)の神」 に奉納するための供物を持って参拝に訪れる。Photo:吉本康子

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供物を載せた膳で埋め尽くされている「ムキ(=モスク)の家」(ターン・ムキ)の中庭。 ベトナム中部南端にあるチャム・バニの村では、金曜礼拝の日になると各世帯の女性たちが「アロワッ(アラー)の神」 に奉納するための供物を持って参拝に訪れる。ベトナム中部南端のチャム社会には祖霊に対する信仰がある。 母系リネージの共有物である「祖先の籠(チェッ・アタウ)」(右端)に祖霊が宿るとされ、リネージの成員が原因不明の病気に襲われたり、 不幸に陥ったりすると、供物と共に憑依を伴う踊りが奉納される(リジャ儀礼)。写真はその一場面。 1960年代以降にスンニ派イスラームに改宗したチャム・バニはこの信仰を放棄した。(2002年10月撮影)Photo:吉本康子